鹿児島県北薩摩の農耕士族の家庭に伝わる「にがごい(ゴーヤ)のかば焼き」のレシピをご紹介します。
鹿児島県の郷土料理「にがごい(ゴーヤ)のかば焼き」レシピ
材料
にがごい(ゴーヤ)
卵
菜種油
醤油
甘酒
作り方
にがごい(ゴーヤ)を縦半分に割り、
種とわたを取り除きます。
日本の食生活全集・鹿児島県には、「長ければ半分に切る」と説明がありますが、半分でも長いので、食べやすい大きさ(4~5等分)に切りました。
にがごい(ゴーヤ)に溶き卵を漬けて
菜種油で揚げます。
揚げたにがごい(ゴーヤ)は、醤油と甘酒で煮からめます。
ワニの皮を調理しているような感覚です。
できあがり。見た目は、まるでワニの皮ですね。
味
ゴーヤの苦みが取れて、魚のような食感でした。
ただ、揚げが甘く、堅さが残っているゴーヤは食べにくかったので、揚げるときはしっかり火を通して柔らかくした方が良いでしょう。
まとめ
ゴーヤに溶き卵を漬けて揚げるというのは、珍しい調理法で、実際にやってみて高度な技を必要とすると感じました。
タイミングが悪いと、ゴーヤに漬けた溶き卵が、油に入れた瞬間にに広がってしまいます。なので、難易度を下げるために、卵よりも天ぷらのように溶き粉を絡めた方が良のではないかと思いました。
【補足】かば焼きのタレの歴史
かば焼きと言えば、「うなぎのかば焼き」というように、うなぎとセットで用いられることが多いですが、うなぎ以外にも、穴子や川魚、野菜などもかば焼きで調理されます。
かば焼きは、甘くてしょっぱいタレが一般的です。しかし、その歴史を紐解いてみると、最初は甘みはなかったことが分かります。
また、かば焼きのタレは、うなぎとセットで進化してきたようです。
うなぎの食べ方と一緒に進化してきた、かば焼きのタレの歴史
新石器時代 うなぎは、新石器時代に既に食べられていたようです。しかし、どのような調理方法で食べられていたのかの記録は残っていません。
1399年 「鈴鹿家」で初めてうなぎの食べ方が初めて登場します。小さめのうなぎに味噌や酢を付けて食べていました。
1700年頃 下総国野田(千葉県野田市)、銚子(千葉県銚子市)などの醤油製造メーカーによる関東醤油の普及に合わせて、醤油を使ったかば焼きが登場します。
1723年 「増補 食物和歌本草」では、山椒味噌、醤油で食べることが推奨されています。
1728年 「料理網目調理抄」では、「醤油や酒を使う」と記されています。
1800年頃 万宝料理秘密箱では、「醤油や酒」と記されています。
かば焼きのタレが現在のような甘辛いものになったのは、つい最近(200年弱前)のようです。