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静岡県に伝わる「とうもろこしのどぶろく」の作り方

料理別 - レシピ・作り方
静岡県に伝わる「とうもろこしのどぶろく」の作り方

静岡県富士山麓地方に伝わる「とうもろこしのどぶろく」の作り方をご紹介します。

静岡県富士山麓地方に伝わる「とうもろこしのどぶろく」の作り方

「日本の食生活全集・静岡県」に記載されていた材料と作り方をご紹介します。

材料

*とうもろこし 3升

水 3升

炊いたごはん 茶碗2杯分

布袋

こうじ 2升

*とうもろこしは、生のもので、粒状のものだと推測します(原本には、詳細の記載なし)。

作り方

生のとうもろこしと布袋に入れた茶碗2杯分のご飯を水に2~3日浸します。

一日に一回かき回します。このとき、ご飯を入れた布袋をしごき、ご飯を絞り出します。

3日くらい経つと、発酵して酒の匂いがします。これが「酒の素」になります。

水に浸していたとうもろこしをザルに上げて、ふかします。

指でつまんで簡単に潰れるくらいやわらかくなったら、むしろの上に広げて人肌くらい冷まします。

冷ましたところに、こうじを加えてよく混ぜ、桶に入れます。

「酒の素」を加えてフタをします。

3日目くらいから発酵して、10日ほどで出来上がります。

とうもろこしのどぶろくに似ているお酒

今回ご紹介した、とうもろこしのどぶろくによく似たものに「チチャ」というお酒があります。

原料はとうもろこしで、噛んで唾液の酵素で発酵させたのが元々の作り方だと言われています。

チチャは、インカ以前から南米アンデスに暮らす人々に愛飲されています。

特に、ペルーやボリビアで作られたものは世界的にもポピュラーなお酒です。

現在も、自家製のチチャを作る家も少なくないようです。

どぶろく作りが禁止された理由

日本でどぶろぐ作りが禁止されたのは、明治に入ってからです。

禁止される前は、日本の農家のほとんどが、味噌を仕込むのと同じように、自家製のどぶろくを作っていました。

どぶろくは、料理の調味料になり、飲んで楽しんだりして、日常の暮らしになくてはならないものでした。

それが、突然禁止。その理由が、「日露戦争の戦費を補うため」。戦争とは無関係な農家にとって、理不尽で迷惑な法律をむりやり押しつけられる形となりました。

当然、こっそりとどぶろくを作る家もありましたが、各地方に税務官を配属し、取り締まるようになったのでした。次第に、どぶろく作りは、「悪いこと」「密造酒」と言うイメージが広がり、作る家も少なくなりました。

今では、ほとんどの日本人の記憶からどぶろくの作り方も忘れられてしまいました。

どぶろくは食品ロスを救う

日本人の台所から消えてしまったどぶろくですが、その損失は計り知れないものがあったと思っています。

なぜなら、どぶろくやどぶろくから出る酒粕は、自然な保存料になるからです。

野菜や漬物などを漬けておくと、何年も腐りませんし、じっくりとアルコール発酵で熟成され、その食品の旨味を引き出してくれます。

どぶろくを常備していた頃は、冷蔵庫が無くとも、真夏でも食べ物を腐らせることはありませんでした。

防腐剤や科学的な保存料などの薬剤などがなくでも、自然の力を利用して食べ物を腐らせることがありませんでした。

どぶろくは、現代の科学よりも最先端を行っていたと言っても過言ではありませんね。

どぶろくを禁止する法律はそろそろ廃案にして、日本の台所にどぶろくが復活することを願います。

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