熊本県球磨地方に伝わる「豚いり」のレシピをご紹介します。
熊本の郷土料理「豚いり」のレシピ
材料
なす 150グラム
味噌 大さじ1
菜種油 大さじ1
作り方
なすを二つ割りにして
薄く切り、
さっと水につけたあと、油で炒めて
味噌を真ん中に置き、フライパンの蓋をして蒸し煮にする。
蒸し煮にして5分くらい経ち、なすが柔らかくなったら、かき混ぜます。
全体に味噌を絡めたところ。
出来上がり。
郷土料理と豚料理について
日本の食生活全集で、豚料理について調べてみると、日常的に食されていた地域は少ないことに驚きます。
170種類の豚を使った料理が紹介されていて、その半分近くが沖縄県に偏っています。
実際に豚料理を使っている地域は、12県。
豚料理の多い順にその料理の数と一緒に紹介しますと、
沖縄県 86種類
鹿児島県 28種類
北海道 19種類
兵庫県 8種類
熊本県 7種類
東京都 5種類
埼玉県 4種類
鳥取県 3種類
神奈川県 3種類
福岡県 2種類
大阪府 2種類
長崎県 1種類
となっています。
1番豚料理の多い沖縄県で、「豚料理は滅多に食べなかった」と言う表記がありました。
ここに上がっていない県は、豚料理の紹介がなく、常食されていなかったと推測します。
豚料理が、常食されるようになったのは、戦後。急激に広まったように思いました。
豚料理以外の肉料理について
豚料理以外の肉料理についても調べてみますと、鳥、うさぎ、牛、馬などの料理がありましたが、いずれも数は多くなく、一般的には、野菜と魚中心の料理を常食していたようです。
現代食は、肉を食べないと、栄養的に問題があるように伝えられ、信じられています。
しかし、昔の日本人は、一般的に信じられているような頻度で肉を食べなくとも元気で健康的な生活ができていました。
まとめ
豚が入っていないけれども、球磨地方では、「豚いり」と呼んでいます。
この料理は、豚が入っていなくても、豚が入っているようにおいしいということから、「豚いり」と名づけられたようです。
菜種油と味噌がしみ込んだなすは、熱が加わり、柔らかくなることで、肉のような食感になります。
お試しあれ。