郷土料理として伝わる「やたら漬」のレシピ

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やたら漬は、茨城、山形、福井、京都、兵庫、鳥取、島根などに伝わる漬物です。
それぞれの地域で作られる「やたら漬」のレシピをご紹介します。

郷土料理として「やたら漬」の伝わる地域

やたら漬けは、茨城県北部山間、山形県上杉藩郷土集落、県北最上、京都府丹後平坦、兵庫県播磨山地、鳥取県因幡海岸、因幡山間、島根県出雲平野などで作られていました。

それぞれの地域で作られているレシピを

ご紹介します。

茨城県北部山間に伝わる「やだら搗」のレシピ

茨城県の北部山間に伝わる「やだら搗」は、暮れに作ります。

材料

なすの古漬

きゅうりの古漬

切り干し大根

醤油

甘酒

シソの実

きざみ根しょうが

作り方

なすの古漬けときゅうりの古漬けは、少し塩抜きします。

切り干し大根を加えて、醤油と甘酒で煮ます。

汁が無くなる頃、しその実、きざみ根しょうがを入れて出来上がり。

自家製の福神漬けのようになります。

山形県上杉藩郷土集落に伝わる「やたら漬」

材料

じゃり漬のなす

塩漬けきゅうり

塩漬け大根

*じゃり漬けとは、塩を振りかけながらなすを入れて、鬼面川から拾ってきた小石を置きます、一段ずつ繰り返して漬け込んでいきます。
長期保存ができて、夏に漬けたなすは、冬を越した頃には、塩分も薄くなって、味がちょうどよくなります。
田植えの時期の漬物にもなります。

鬼面川の川辺から拾ってきた小石は、花崗岩や石英、安山岩に由来郷土料理として伝わる「やたら漬」のレシピ硬い石で、「生きる石」とも呼ばれているため、じゃり漬には、これ以外の石は使いません。

作り方

なす、きゅうり、大根は、それぞれ水に浸して塩抜きをします。
なすときゅうりは細かく、大根はいちょう切りにして、良く水気を切っておきます。
これと下付けしておいたシソの実、菊を混ぜ合わせて布袋につめて、味噌の中につけ込みます。
半年くらいで食べ始めます。

山形県県北最上に伝わる「やたら漬」のレシピ

ふたつの方法があります。

1,材料

青首皆重大根(聖護院大根)

塩漬けなす

1,作り方

さっと干した大根を厚さ三分くらいの半月切りに切ります。

塩漬けのなすは、大きいものは二つ割り、塩漬けのきゅうりは、乱切りにします。

大根、なす、きゅうりを混ぜ合わせたところに、塩漬けにしたしその実を加えます。

甘酒を木綿の袋に入れて、野菜の上に置いて味を染みこませ、更に重石をします。

2~3日くらいたったら、一度かき混ぜ、一週間程度で食べ始めます。

次に紹介するのは、山形県県北最上地方に伝わる、もう一つの「やたら漬」レシピです。

2,材料

生大根

塩漬けしたきゅうり

塩漬けなす

塩漬けみょうが

2,作り方

保存用に漬けた、きゅうり、なす、みょうがをきれいに洗って、水気を切ります。

生大根の皮をむき、なたで三分くらいの厚さに輪切り、または乱切りにします。

きゅうりを乱切りにします。

なすは縦にふたつに切ります。

そこへみょうがとしそのみを加えて混ぜ合わせ、重石をして漬け込みます。

福井県若狭中山間の郷土料理「やたら漬」のレシピ

福井県若狭中山間に伝わる「やたら漬」のレシピをご紹介します。

材料

なす

ミョウガ

きゅうり

しその葉

なんば(とうがらし)

作り方

材料を小口から薄切りにしておきます。

樽の底に塩をふり、刻んだ野菜をよく混ぜて、塩をふりかけながら漬け込みます。

軽い重石を乗せておく。

二日くらいたったころで醤油を少しかけ食べます。

京都府丹後平坦に伝わる「やたら漬」のレシピ

材料

しろうり

きゅうり

なす

しその葉

しその実

など

作り方

材料を細か茎前で一割の塩で塩漬けします。
重石を充分きかせて、一ヶ月くらいおきます。

一ヶ月経ったら、布袋に入れて口をしばり、味噌桶の底に入れて漬け込みます。

味噌に入れてから一ヶ月くらいで食べられます。

味噌の風味が良くきいて、麦飯にもってこいのぬけものです。

兵庫県播磨山地に伝わる「やたら漬」のレシピ

材料

なす

きゅうり

しその実

小菜

みょうがの子

とうがらし

作り方

とうがらし以外の材料はそれぞれ収穫する時期が違うので、別々に漬物樽に塩漬けにしておきます。

とうがらしは、真っ赤に売れたものを畑でとって束ねて軒先にかけておきます。

11月くらいに、塩漬けした野菜を、粗く切ったとうがらしとともに漬け込みます。

このとき塩は使いません。

黒っぽい野菜ばかりですが、とうがらしの赤が鮮やかな色合いを出します。

すぐにでも食べられます。

鳥取県因幡海岸に伝わる「やたら漬け」のレシピ

材料

尾張大根

しその実の塩漬

米麹

作り方

尾張大根の頭を七分ほど落として、中をさじでえぐって穴を開けます。

塩漬けのしその実を湯飲み茶碗に二杯ほど用意し、さっと湯を通します。

えぐり取った大根を少しとしその実、湯飲み茶碗三杯ほどの米麹をよく混ぜ、大根の穴に埋めます。

詰め終わったら、切り落とした大根の頭で蓋をして、用事でしっかりとめます。
これを味噌煮埋め込んでおきます。1年経つと食べられます。

鳥取県因幡山間に伝わる「やたら漬」のレシピ

材料

(塩漬けするもの)
なす

きゅうり

みょうがの子

さやいんげん

はちこく豆(ふじ豆)

かぼちゃのえぼなり(うらなり)

とうがらしの葉

ずいき(里芋の茎)

たけのこ

(干すもの)

大根

きくいも

作り方

なす、きゅうり、みょうがの子は、あら漬けしてから、もう一度漬け直して本漬けにしておきます。

とうがらしの葉、さやいんげん、はちこく豆は茹でて本漬けにします。

かぼちゃのえぼなりは、適当な大きさに切って湯通しして、一日点鼻干しに漬けておきます。

ずいきは、一寸五分くらいの長さに切り、皮付きのまま茹でてざるに上げ、そのまま水押しをしてから本漬けにします。

ずいきの塩は、浅漬け程度の悔い頃の塩に漬けます。

たけのこは、その年にとれたものをつかいます。いったん湯通しして、水押しをしてから塩漬けにします。

大根は小ぶりのものがよく、葉を切り落として、あらったそのままをむしろに広げます。

黄味味を帯びて、皮に小じわがよる程度、約10日間干してから漬け込みます。

きくいもは、大根を干す5日前から一週間ほど前に彫り上げて、洗ったらそのままむしろに広げて干します。

塩漬けの材料をざるに上げて、薬味を混ぜ合わせ、大根、きくいも、塩漬け材料とを交互につけ込みます。

水が上がるまで葉強い重石をかけ、水が上がったら軽くして、約一ヶ月経ったら食べられます。

それぞれの材料はとれた時期に、塩漬けにしておきます。

12月初旬につけ込みを始めます。

ずいきの入らないものは、やたら漬けとは呼ばないそうです。

島根県出雲平野に伝わる「やたら漬」のレシピ

材料

しその実

こうじ

さんしょうの実

うりの塩漬け

なすの塩漬け

作り方

秋になってしそが実ったら、穂をこぎとり、きれいにむしろの広げて乾かします。

水洗いして乾かした穂を辛めに塩漬けします。

そこに、米こうじ、さんしょうの実、うりやなすの塩漬けを混ぜて一緒につけ込みます。

まとめ

「やたら漬」の由来は不明ですが、やたらに色んな野菜を漬け込むからやたら漬けという地域もありました。

「やたら漬」と言っても、地方によって、材料も作り方も違いますね。
それぞれの「やたら漬」の味比べも面白いですね。

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