なすの栄養と意外な効果・効用とは?

素材別 - ナス
なすの栄養と意外な効果・効用とは?

ナスは、ナス科に属していると聞くと「何を分かりきったことを言うのか」と思うかもしれません。
しかし、ジャガイモ、トマト、トウガラシ、ピーマンなどもナス科であり、ナス科のナス属に分類されています。

ナス科の植物は、115属2678種類。そののほとんどは、多くが食用や観賞用に利用されています。
原生のナス科の植物は、アルカロイドという成分があり、生物に対して有毒ですが、品種改良により、一般的に食用されている野菜にはアルカロイドは含まれません。
ジャガイモの芽や茎(ソラニン)や未熟なトマト(トマチン)など有毒な成分が残っています。

ナスの特徴

なすは、クセの無い味わいと、良く火が通った身のトロリとした食感が特徴です。
炒め物、煮物、揚げ物、蒸し物、漬物など幅広く調理され、定番野菜として扱われています。93パーセント以上が水分ですが、脂肪燃焼ビタミンと呼ばれるビタミンB2を含みます。
ナスの皮の色素は、ナスニンと呼ばれ、抗酸化作用のあるアントシアニンの一種です。
日本では、夏から秋に収穫されますが、身体を冷やす効果があります。

原産地インドから日本へ

なすの原産地は、インドです。インドでは有史以前からなすを栽培していたと推測されています。
なすは、ビルマを経由して中国へ5世紀頃に伝わり、東南アジアにも広まりました。
ヨーロッパには、13世紀くらいに伝わりました。しかし、なすは、元々熱帯植物で多湿を好みますので、ヨーロッパの風土には合わず、普及しませんでした。
日本では7世紀から8世紀にかけて中国から伝わり、奈良時代から食された、という史実が残っています。東大寺正倉院の古文書である「太平勝宝2年(750年)茄子進上」という記録が最古のものです。
平城京の長屋王邸宅跡から出土した木簡に「進物 加須津毛瓜 加須津韓奈須比」という記述があることから、位の高い人への進物に、なすの粕漬けが贈られていたことが判明しました。元々は貴重な野菜でありましたが、江戸時代以降は広く栽培されるようになり、今では、庶民的な野菜として親しまれています。日本ではなすの種類は70種類ほどですが、世界では1000種類もあると言われています。

薬効としての、なす、意外な効果とは?

なすは、果実、茎、へた、根、花などは薬用として使われています。
果実は、茄子(かし)、へたは、茄蔕(かてい)として生薬の成分になっています。

期待されるなすの部位ごとの効果

果実

【打ち身、捻挫、軽いやけど】
なすの果実冷やして縦に切り、切り口を患部に何度も当てることで患部が軽減される
【痔】
果実を黒焼きにして粉末にしたものを1回1グラム、1日3回服用すると効果がある

ヘタ

【腫れ物】
乾燥したヘタ、10グラムを600CCの水で煎じた液で患部を湿布すると晴れが引く
【歯槽膿漏、歯痛、口内炎】
ヘタを黒焼きにして粉末状にする。食塩と混ぜてたものは歯磨き粉代わりになる。
歯槽膿漏や歯痛、口内炎に効果があると言われている。

【しもやけ】
乾燥した茎、10~20グラムを水600CCで煎じた液で患部を洗う

【あかぎれ】
乾燥した根、10~20グラムを水600CCで煎じた液を患部につける

【二日酔い】
乾燥した花、5グラム、くずの花、5グラムを、400CCの水で煎じて服用する。

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