ウィキペディアによると、ひな祭りの白酒は、甘酒とは作り方が全く違うと書かれており、それが正解であるかのように紹介されています。
しかし、「日本の食生活全集」の日本各地で作られていた白酒を調べてみると、ほとんどが甘酒から作られていました。
昔から田舎に伝わる、白酒のレシピをご紹介します。
昔から地方に伝わる白酒のレシピ
岩手県、山形県、山梨県、静岡県に伝わる、白酒のレシピです。
岩手県県北に伝わる「白酒」のレシピ
材料
甘酒
清酒
作り方
白酒は固くつくった甘酒に清酒を加え、布袋で絞ります。
正月、小正月、桃の節句などに女たちだけで飲みました。
岩手県の県央に伝わる「白酒」のレシピ
二つの作り方があります。
レシピ1
材料
もち米 一升
清酒 一升
砂糖 半片
作り方
もち米一升を蒸し、水をたっぷり入れながらやわらかい餅に搗きます。
この餅をかめに入れ、清酒一升と砂糖半片を加えてきっちりふたをします。
半月くらい経つと、餅がが柔らかになってきます。
これをすり鉢に入れてよくすり、ほどよい濃さになるように水かぬるま湯を加えて飲みます。
レシピ2
材料
もち米の粉 一升
水 二升
砂糖 半片
作り方
もち米の粉一升に水二升ほど加えてよく混ぜ、火にかけてよく練ります。このとき焦がさないように、たえずそばにいてかき回します。
これに清酒一升と砂糖半片を混ぜて一晩くらいおきます。
つぶつぶがないようによくかき混ぜ、好みの濃さにして飲みます。
山形県北最上地方に伝わる「白酒」のレシピ
材料
もち米 一升
水 一升三合
こうじ 一升五合
酒
作り方
もち米一升、水一升三合でごはんを炊き、こうじ一升五合と混ぜ合わせて固つくりの甘酒をつくります。
好みの量の酒を加えて布袋で絞って、汁をびんなどに詰め、半月くらい放置して熟成させます。
熟成させている間は、1日1回はよく府って混ぜ合わせます。
正月、小正月、桃の節句に神々への御神酒として供えます。
山梨県笛吹川上流に伝わる「白酒」のレシピ
材料
甘酒
焼酎
作り方
甘酒を焼酎で薄めます。
山梨県八ヶ岳山麓に伝わる「白酒」のレシピ
材料
甘酒
水(長期保存するばあいは、焼酎)
作り方
甘酒をすり鉢ですり、水で薄めます。
長期に保存するには焼酎だけで薄めておきます。
静岡県岡部に伝わる「白酒」のレシピ
材料
蒸し米 1.3キロ
米こうじ 500グラム
清酒 90ミリリットル
作り方
蒸し米を体温くらいに冷ましたものに、米こうじを四割くらい混ぜます。
混ぜたもの一升に対して清酒5勺くらいを加えて、20日から1ヶ月くらいおくと、発酵して白酒ができます。
おひな様に、菱もちとともに備えます。甘くて口当たりがよいお酒です。
まとめ
静岡県に伝わる「白酒」が、一般的に出回っている白酒の造り方に近いようです。
白酒は、寒造りといって、小寒、大寒のころにつくることが多い。密封していれば一ヶ月くらい保存できます。