鉄火味噌は、北海道と関東周辺の地方で作られていました。
各地に伝わる鉄火味噌のレシピをご紹介します。
各地に伝わる「鉄火味噌」のレシピ
北海道旭川、東京下町、神奈川県津久井山村、三浦半島、相模川流域、山梨県富士五湖周辺、北都留、長野県伊那谷、愛知県西三河、滋賀県湖南地方に伝わる「鉄火味噌」のレシピです。
北海道旭川に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆 一合
ゴボウ
菜種油
味噌
甘酒(*原本は砂糖)
作り方
大豆一合を鍋ではじけるまで炒ります。
ゴボウは小さく乱切りにします。
熱した鍋に菜種油をひいてゴボウを炒め、大豆も入れて味噌を加えます。
だし汁と甘酒(*原本は砂糖)を入れて練り上げます。
東京下町に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆
ゴボウ
味噌
醤油
甘酒(*原本は砂糖)
作り方
大豆を固めに煮ます。
ゴボウを小さめの乱切りにして菜種油で炒めます。
火にかけた鍋の中に、味噌と甘酒、醤油を入れて木じゃくしで混ぜて練り上げます。
大豆とゴボウを混ぜ合わせます。
神奈川県津久井山村に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
なす
味噌
菜種油
作り方
薄切りにしたなすを油で炒めて、味噌で味付けします。
神奈川県三浦半島に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆
ゴボウ
味噌
甘酒
作り方
大豆をはじけるまで炒ります。
ゴボウを小さめの乱切りにして、菜種油で炒めます。
味噌と甘酒を入れてゴボウと和えます。←ゴボウ味噌
ゴボウ味噌に、炒り大豆を入れます。
神奈川県相模川流域に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆(または落花生)
味噌
甘酒
作り方
大豆(または落花生)を炒って、味噌と甘酒を入れて練り合わせます。
山梨県富士五湖周辺に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
ゴボウ
にんじん
ネギ
菜種油
味噌
甘酒
作り方
ゴボウは皮をむいて、ささがきにします。
にんじんは、皮をむきささがきにします。
ネギは、斜めに切ります。
鍋に菜種油を入れて、ゴボウ、にんじんを炒めます。
野菜がやわらかくなったら、ネギを入れて味噌と甘酒で味をつけます。
山梨県北都留に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
なす
いんげん
作り方
なすは薄切りにします。
いんげんは、1センチくらいに切ります。
鍋に菜種油をひいて、なすといんげんを炒めて味噌で練ります。
長野県伊那谷地方に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆
小女子(イカナゴ)
味噌
水
作り方
大豆を鍋でから煎りします。
小女子(イカナゴ)、味噌、水を加えて、練って仕上げます。
愛知県西三河に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
しそ
味噌
甘酒
作り方
しそを炒めて、味噌と甘酒で煮ます。
滋賀県湖南地方に伝わる「鉄火味噌」の作り方
材料
大豆
菜種油
味噌
甘酒
作り方
大豆を一晩水につけ、ザルに上げて水切りをしておきます。
水切りした大豆を、菜種油で揚げます。
味噌に甘酒を入れて、揚げた大豆を入れて火にかけてよく練ります。
味噌が飴色になったら火から下ろして冷ましておきます。
まとめ
鉄火味噌は、戦を連想させる名前ですが、豆味噌を使ったことから、そのような名前になったという説もあります。
身体を温める効果があるので、マクロビオテックの食事療法では定番料理です。
意外なことに、軍隊でも重宝されたようです。大日本帝国陸軍のレシピ集である「軍隊調理法」や大日本帝国海軍のレシピ集にも取り上げあられていました。
「軍隊調理法」とは、昭和初期に編纂・発酵されたレシピ集で、料理の基礎と献立をまとめています。
鉄火味噌は、そのレシピ集の「特別食」に分類され、更に細かい分類で「携行食」として、佃煮や煮豆などと並んでリストアップされています。